AlmaLinux 9 一覧へ戻る トップAlmaLinux 9 / Zero Trust&統合管理基盤構築
AlmaLinux 9 ・ 統合管理基盤

Zero Trust&統合管理基盤(内部統合管理・可観測性)構築

FortiGate(物理)とHeadscale(仮想)による二重防御で、SERVERセグメントをゼロトラスト化する

AlmaLinux 9・192.168.2.3 SERVERセグメント Podman Macvlan

目次

  1. 基本コンセプト
  2. システム構成図
  3. IPアドレス採番表
  4. 構築フェーズ一覧
  5. 学習アドバイス

1. 基本コンセプト:二重防御(物理ファイアウォール + 仮想オーバーレイ)

本設計の最大の強みは、「FortiGate(物理)とHeadscale(仮想)による二重の防御壁」です。

壁 1 ・ 物理層(アンダーレイ)

FortiGate(境界ファイアウォール)

DMZ(172.16.1.0/24)からSERVER(192.168.2.0/24)への直接通信を100%拒否します。NTPやDNSのためといった例外的な穴あけポリシーは一切作りません。

どうしても通信が必要な場合 ↓
壁 2 ・ 仮想層(オーバーレイ)

Headscale(タグベースACL)

仮想的な暗号化トンネルである「Tailscale(Headscale)」を使用し、厳格な「タグ(Tag)ルール」でポリシー制御された通信だけを通過させます。

2. システム構成図

自宅インフラ全体は DMZ・SERVER・HOME の3セグメントで構成されています。AlmaLinux 9 は SERVER セグメント(192.168.2.0/24)で内部統合管理・可観測性基盤の司令塔を担っています。

DMZ
172.16.1.0/24
SERVER(本ページ)
192.168.2.0/24
HOME
192.168.1.0/24

AlmaLinux 9 ホスト(192.168.2.3)

Podman Macvlan による統合管理基盤
Samba(192.168.2.3:445)

ホストOSのネットワークをそのまま使うコンテナ(Network=host)としてSMB共有を稼働。Headscale VPN経由でauthentik認証済み利用者による外部からの遠隔操作も達成済み。

macv0(192.168.2.99)

ホスト⇔コンテナ間通信用の仮想インターフェース

192.168.2.11DNS / NTP(Unbound・Chrony) 192.168.2.12監視(Prometheus・Grafana) 192.168.2.13Headscale(ACL制御) 192.168.2.14Syslog中継 192.168.2.15Loki(ログ集約) 192.168.2.16Authentik(OIDC/MFA) 192.168.2.17OpenZiti(将来構想・ZTNA)

※ 本図は2026年8月時点の現行構成です。DMZ・HOMEの詳細はトップページの統合システム構成図を参照してください。

3. ネットワークアドレス・IP採番表

物理ホスト(2.3)のLANインターフェースから、Podmanの「Macvlan」機能を用いて、各コンテナに物理LANと同じセグメントのIPアドレスを直接割り振ります。

IPアドレスコンポーネント名役割 / 使用ツール稼働形態
192.168.2.3mgmt-server (Host)Samba(ファイル共有)/ Ansible物理ホストOS
192.168.2.99macv0 (Host Virtual IP)ホスト-コンテナ間通信用の仮想IP物理ホストOS(仮想)
192.168.2.11Identity - DNS/NTPキャッシュDNS(Unbound)/ 時刻(Chrony)Macvlanコンテナ
192.168.2.12Management - Monitoringメトリクス収集(Prometheus/Grafana)Macvlanコンテナ
192.168.2.13Identity - Headscaleゼロトラスト・コントロール(Headscale)Macvlanコンテナ
192.168.2.14Management - Syslogログ中継(rsyslog / Promtail)Macvlanコンテナ
192.168.2.15Management - Lokiログ集約・検索(Loki)Macvlanコンテナ
192.168.2.16Identity - IDPシングルサインオン/多要素認証(Authentik)Macvlanコンテナ
192.168.2.17Future - OpenZiti(将来構想)サービス単位ZTNA(OpenZiti)Macvlanコンテナ

設計判断メモ

「DMZからSERVERへの直接の穴あけをしない」という境界原則を守るため、DMZのサーバー(172.16.1.x)はSERVER内の1.11相当(Unbound)には一切依存させません。DMZは外部の公開NTP/DNSを直接参照し、SERVER内のDNS/NTPは「SERVERセグメント専用」として構築します。

4. 構築フェーズ一覧

各フェーズの詳細な構築手順は、それぞれ専用ページにまとめています。ここでは全体の流れをご案内します。(AlmaLinux 9 一覧ページの「Zero Trust構築ロードマップ」と同じ項目です。どちらからでも同じ詳細ページへアクセスできます。)

5. 学習アドバイス

本ガイドで提示した構成は、すべてのコンポーネントがオープンソースかつ、企業の要件定義に耐えうる最新の構成(FortiGate、WireGuard技術、Loki、Ansible Roles、SELinuxポリシー)で組み立てられています。

まずは「Phase 1 の Macvlan制限の回避設定」を正確に行い、ホスト(2.3)と各コンテナの間で自由に行き来できる(AnsibleのSSHが届く)ネットワーク基盤を作ることが、最初の重要な関門となります。これさえ成功すれば、その後のコンテナ構築はすべて順理に展開可能です。

AlmaLinux 9 一覧へ戻る