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SPFのPASSとDMARCアライメントの違い

送信編・受信編で確認した2つの検証結果は、どちらも最終的にdmarc=passでしたが、その「中身」は大きく異なっていました。なぜ判定内容が違うのかを比較しながら解説します

送信:DKIMアライメントでPASS 受信:SPF・DKIM両方でPASS

本ページの位置づけ

送信編受信編では、どちらも最終的にdmarc=passという同じ結果でしたが、その内訳(SPF/DKIMそれぞれのアライメントの成否)は正反対でした。この違いがなぜ生まれるのかを、DMARCの判定ロジックに沿って比較します。

目次

  1. 1. 結論:なぜ判定内容が異なるのか
  2. 2. ケース1:送信時の判定(自宅サーバー→Gmail)
  3. 3. ケース2:受信時の判定(Gmail→自宅サーバー)
  4. 4. 比較まとめ
  5. 5. 技術コラム:SPFのPASSとDMARCアライメントの違い

1. 結論:なぜ判定内容が異なるのか

1つ目のケース(送信:自宅サーバー→Gmail)と、2つ目のケース(受信:Gmail→自宅サーバー)では、「SPFの認証ドメイン」と「メールの送信元(Fromドメイン)」の一致関係(アライメント)の判定内容が異なっています。

ケース内容
送信時(自宅サーバー→Gmail)外部のリレーサービス(Brevo)を仲介して送信したため、SPFのドメインとFromドメインが異なっていた(アライメントは不一致だが、DMARCはDKIMの成功によってPASS)
受信時(Gmail→自宅サーバー)Googleのサーバーから直接送信されたため、SPFのドメインとFromドメインが完全に一致していた(アライメントも一致してDMARCはPASS)

この違いを、「単体のPASS」と「DMARCのアライメント(一致確認)」の2つの視点から詳細に比較します。

2. ケース1:送信時の判定(自宅サーバー yama.mydns.jp → Gmail)

外部リレー(Brevo)を経由したため、判定が少し複雑なパターンです。

項目内容
Fromヘッダーのドメインyama.mydns.jp(自分)
SPF検証ドメイン(Return-Path)hb.d.sender-sib.com(Brevoのドメイン)
DKIM署名ドメイン(d=)yama.mydns.jp(自分)

DMARCの判断プロセス

ステップ判定内容結果
1. SPF単体の検証送信IP(77.32.148.28)は sender-sib.com(Brevo)の正規サーバーであるSPF PASS
2. DMARCのSPFアライメントFromの yama.mydns.jp と、SPFの sender-sib.com は一致しない不一致(NG)
3. DKIM単体の検証yama.mydns.jp の鍵で署名されており、改ざんもないDKIM PASS
4. DMARCのDKIMアライメントFromの yama.mydns.jp と、DKIM署名の yama.mydns.jp が一致一致(OK)

★ 最終判定(DMARC)

DMARCは、SPFかDKIMのどちらか一方でもアライメントが成功していれば「合格」と判定するルールです。今回はDKIMが一致したため、総合結果として dmarc=pass となりました。

3. ケース2:受信時の判定(Gmail → 自宅サーバー yama.mydns.jp)

Gmail(Google)が自身の巨大なインフラから直接送信したため、非常にシンプルなパターンです。

項目内容
Fromヘッダーのドメインgmail.com
SPF検証ドメイン(Return-Path)gmail.com
DKIM署名ドメイン(d=)gmail.com

DMARCの判断プロセス

ステップ判定内容結果
1. SPF単体の検証送信IP(209.85.167.52)はGoogleの正規サーバーであるSPF PASS
2. DMARCのSPFアライメントFromの gmail.com と、SPFの gmail.com が一致一致(OK)
3. DKIM単体の検証gmail.com の鍵で署名されており、改ざんもないDKIM PASS
4. DMARCのDKIMアライメントFromの gmail.com と、DKIM署名の gmail.com が一致一致(OK)

★ 最終判定(DMARC)

SPFとDKIMの両方のアライメントが成功しているため、文句なしで dmarc=pass となりました。

4. 比較まとめ

項目送信時(自宅→Gmail)受信時(Gmail→自宅)
SPF単体PASSPASS
SPFアライメント不一致(経由:Brevo)一致(直接送信)
DKIM単体PASSPASS
DKIMアライメント一致一致
DMARC最終判定PASS(DKIM側の一致で合格)PASS(両方一致で合格)

5. 技術コラム:SPFのPASSとDMARCアライメントの違い

「SPFがPASSしている=DMARCも自動的にPASSする」とは限りません。

単体のSPF = PASS とは

「メールを送ってきたサーバー(IPアドレス)が、その配信システム(例:リレーサービスやメルマガ配信システム)にとって正規のサーバーである」という証明に過ぎません。

DMARCの役割

DMARCは一歩踏み込んで、「メールの差出人(From)として画面に表示されているドメインが、SPFやDKIMで認証されたドメインと同一(アライメント)かどうか」をチェックします。

外部の配信リレーを利用する場合、SPFのドメイン(Return-Path)がリレー会社のものになるため、SPFアライメントは不一致になります。しかし、自社ドメイン(yama.mydns.jp)で作成したDKIM署名さえしっかり付与されていれば、DMARCはそれを評価して「本物」と認めてくれます(DMARC PASS)。

これが「DKIM導入が必須」と言われる理由

これこそが、SPF単体運用からDMARC運用へ移行する際に「DKIMの導入が必須」と言われる技術的な理由です。外部リレーサービスを1つでも使う運用では、SPFアライメントだけに頼ることができないため、DKIM署名による担保が実質的に必須になります。

SPF・DKIM・DMARCの関係、これで一通り整理完了 🎉

送信編・受信編・アライメントの違いまで確認し、送信ドメイン認証の全体像を把握できました。生ヘッダーでの確認は「Gmailメールヘッダ解析」、通信の流れは「メールシーケンス及び解説」もあわせてご参照ください。

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